病院やクリニックに受診した際によく耳にする「レントゲン」「CT」「MRI」という言葉。なぜこの検査をするのか?体に害はないのかと気になる人も少なくないはず。
この記事では、「レントゲン」「CT」「MRI」の違いや患者として知っておくべきことなどを分かりやすく解説していきます。医療の基本的なことを知りたい方はこの記事を参考にしてみてください。
レントゲンとは

仕組み
レントゲンは「X線」という目には見えない光を体に当て、通り抜け方の違いを白黒の写真にします。骨のように固いところは白く、肺のように空気の多いところは黒く写るのが特徴です。
見える病変の例
整形外科:骨折や関節のずれ
呼吸器科:肺の病気(肺炎・気胸など)の手がかり
歯科:虫歯や歯根の状態
メリットとデメリット
メリット
・時間がかからない(1検査あたり数秒~数分で終了する)
・費用が比較的安い
・多くの病院やクリニックに装置がある
デメリット
・少量だが、被ばくする
・体の重なりがある所は細かな部分が見えないこともある(通常、複数方向から撮影します)
・血管や内臓の細かい形は苦手
CT(Computed Tomography)とは

仕組み
CTはX線が出る装置をぐるりと回しながら撮影し、体の中を「輪切り」の画像にして立体的に確認できる検査です。必要に応じて、画像を見えやすくする薬の”造影剤”を使用することがあります。
見える病変の例
脳神経外科:頭の中の出血、脳梗塞の早期の手がかり
呼吸器科・消化器科:肺や肝臓などの臓器の状態、腫れやしこりの大きさ
整形外科:骨折の広がり方、細かな骨の欠け
救急:外傷での内臓損傷の有無
メリットとデメリット
メリット
・体の中を詳しく、短時間(数分)で広い範囲まで見ることができる
・急な病気やケガの判断に役にたつ
・立体的に見ることができるので、見落としを減らすことができる
デメリット
・レントゲンよりも放射線被ばくの量が多くなります
・造影剤を使う場合、まれに副作用(気分不快、かゆみなど)や腎臓への負担があります
・比較的高額な検査になる(保険適用しても数千円から)
CTの被ばくについてこの記事でわかりやすく解説していますので、ご確認ください。
MRI(Magnetic Resonance Imaging)とは

仕組み
MRIは強い磁石と電波を使って体の中を写す検査です。放射線は使わないので被ばくはしません。体の水分の動きや性質を利用して、柔らかい部分(脳、筋肉、靭帯、臓器)を詳しく写します。
見える病変の例
脳神経外科:脳や脊髄の病気、脳梗塞の範囲、腫れや炎症
整形:椎間板ヘルニア、靭帯や半月板の傷
消化器科・婦人科:肝臓、膵臓、子宮、卵巣、前立腺などのしこりの性質の見極め
婦人科:乳房の詳しい評価(施設や症状による)
メリットとデメリット
メリット
・放射線を使わないので被ばくしません
・脳・神経・筋肉・靭帯・内臓などの「やわらかい部分」を詳しく見られます
・病気の性質の見極めに役立つことがあります
デメリット
・検査時間が長め(20〜60分ほどが目安)
・検査中に大きな音がする(耳栓やヘッドホンを貸してくれる病院もあります)
・体内金属(心臓の機器、古い金属、入れ墨の顔料など)で制限が出ることがある
→必ず医師や放射線技師の指示に従いましょう
・狭いところが苦手な方はつらく感じることがある
どの検査が適しているのか?
・骨折や胸部の健康診断の場合→まずはレントゲンで十分なことが多いです
・頭のけがや突然の激しい頭痛、交通事故による外傷→素早く広く確認できるCTが選ばれやすいです
・肺や腹部の詳しい病気の判断→CTが向いていることが多いです
・脳や神経の詳しい評価、靭帯や関節の評価→MRIが役に立ちます
ただし、最終的には医師が症状や持病、年齢や妊娠の可能性などを総合して判断してくれます。自己判断で検査をオーダーすることはできないです。
また、レントゲンで異常を発見したからCTやMRIを撮影するといった、複数の装置を組み合わせて検査をすることもあります。
患者として知っておくべきこと
「被ばくは多いのか?」
レントゲンやCTは放射線を使うので被ばくをします。しかし、今の医療では患者の利益(ベネフィット)が大きい場合のみ検査をするということが常識になっています。被ばく量に関しても年々厳格化されており、被ばく線量の見直しのルールも5年置きに改訂されています。医療従事者もメーカーも被ばくを減らす努力を日夜行っていて、人体に影響の出るほどの放射線量ではないという点は押さえておいてください。
「金属製品はなぜ外さないといけないの?」
MRIは大きな磁石のようなものを使って検査を行います。アクセサリー類だけでなく、携帯やICカード、カイロなども検査室の持ち込みは危険です。必ず放射線技師さんの確認に従い検査室に入るようにしましょう。
「自分の情報は必ず伝える」
妊娠の可能性や持病、今飲んでいる薬、アレルギーなどは必ず伝えるようにしてください。患者の負担にならない検査を選択するためには情報が不可欠となります。
他にも、狭い所が苦手であったり、不安なことも遠慮せず伝えてください。対策や別の方法を検討してくれる病院がほとんどです。
まとめ
| レントゲン | CT | MRI | |
|---|---|---|---|
| 使うもの | X線 | X線(ぐるっと1周する) | 磁石と電波 |
| 放射線被ばく | あり(少ない) | あり(X線よりは多い) | なし |
| 得意領域 | 骨折、胸部の大きな疾患 | 頭の出血、胸腹の詳細 | 脳・神経、椎体、靭帯 |
| 検査時間 | 短い(数秒~数分) | 短め(数分) | やや長い(30分~60分) |
| 音や狭さ | ほぼ無し | 少し狭さ感じる場合あり | 音大きく、狭く感じる |
| 造影剤 | まれ | よく使用される | 使う場合あり |
| 向かない例 | 細かい重なりがある箇所 | 妊娠中は注意 | 金属、閉所苦手な場合 |
どの検査が良いのかは症状や安全性、緊急度のバランスで決まり、医師が最適な組み合わせを選択します。不安なことや持病、体内金属の有無、アレルギー歴は事前にきちんと伝えるようにしてください。自分の健康を守り、適切な医療を受けるためにも、これらの検査の違いや特徴は押さえておきましょう。



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