医療機器メーカーの職種の違い(営業/フィールドエンジニア/アプリケーションスペシャリスト)【大手就職の第一歩】

アプリケーションスペシャリスト

大手の医療機器メーカーにも必ずといってある職種、営業、アプリケーションスペシャリスト、フィールドエンジニア(サービス)。この職種たちは主要3職種と過言ではありません。
完結に言うと、
営業=顧客との関係構築や製品の受注
フィールドエンジニア(FE)=装置の据え付けやメンテナンス
アプリケーションスペシャリスト(AS)=臨床運用のサポートや新製品のデモ
が主な仕事内容です。
この記事では1日の流れや必要なスキル、評価基準、向いている人の特徴を比較していきます!

こんな人向け

✓ 放射線技師や検査技師からメーカーへのキャリアチェンジを検討中

✓ 医療業界に興味がある学生で職種の違いを短時間で掴みたい

✓ 面接前に”中身の理解”を固めて説得力を上げたい

結論:違いは「成果が何で決まっているか」

●営業:関係構築~商談の創出~契約・受注の数(顧客との関係構築、提案、見積り、社内調整)

●AS:装置を通じた顧客満足度の向上(何台臨床軌道に乗せたか、自社更新率、学術支援の数)

●FE:装置の安定稼働(稼働率、故障対応数、予防保全)

早見表:3職種の比較

営業AS(アプリ)FE(サービス)
業務の目的関係構築・受注・搬入臨床価値の最大化装置稼働の安定化
主な評価例受注件数、商談件数顧客満足度、学術支援数複数装置の据え付け技術
客先 / 社内 / 移動 の量客先 多/社内 少/移動 多客先 中/社内 中/移動 多客先 多/社内 中/移動 中
必要なスキル対話力、交渉力、調整力
ニーズを理解する力
臨床・専門知識
顧客の課題理解
電気・機械の知識
安全管理
向いている人人との会話が好きな人
人脈を広げたい人
人に教えることが得意な人
突き詰めていける人
自分の手で装置を扱い人
主な関係者医師、事務、技師
工事関係者、リース会社等
医師、技師
他メーカー営業さん等
技師、工事関係者
他メーカーのサービス等

※各社の運用や基準で異なる場合もあり、あくまで一般論や私の経験視点です。

スタット

もう少し各職種の違いや役割について具体的に見ていきましょう!

各職種の業務内容と”評価される行動”

営業:顧客との関係構築から契約受注、搬入計画を立てる

1日の流れ(例)

・午前:社内業務(報告書作成、アポとり、社内ミーティング)、客先訪問
・午後:客先訪問(関係性構築、搬入調整、商談調整)、販売店へ訪問
・夕方:報告書作成、明日の行動計画

評価されること

・売上、受注など数字での貢献、再現性のあるパイプラインの構築
・顧客や販売店との関係構築、社内外での調整力
・競合/市場理解に基づく提案ができるか

向き不向きの目安

〇人と話すのが好き、人と話して信頼を得ることが得意だと感じる
〇物事を前に進める執着がある()
×数字のプレッシャーが極度に苦手

キャリアパス

支店や支社で営業所長になる、マーケティングや人材育成の部署に異動するなど

AS(アプリ):臨床技術のスペシャリスト、学術支援まで行う

1日の流れ(例)

・午前:社内業務(報告書作成、ミーティング、社内勉強会)、検査立ち合い
・午後:客先訪問、検査立ち合い、新装置デモの実施
・夕方:報告書作成、営業さんへの連絡、顧客提案の資料作成

評価されること

・立ち上げスケジュール通りの稼働や運用の安定化
・デモによる契約件数の貢献
・学術支援することで論文などに共著でのる

向き不向きの目安

〇臨床的な視点で説明できる、臨床に興味がありこれから欠かさず学び続けられる
〇相手の状況や経験などに合わせた説明ができる
×突発的な柔軟な対応が苦手(機械的なトラブルやプロトコルの不備なおで発生)

キャリアパス

商談に特化した部署や人材育成の部署への異動、医療業界知識を活かした転職

FE(サービス):現場で装置を守る、トラブル解決のプロ

1日の流れ(例)

・午前:報告書作成、部品発注、据え付け作業
・午後:定期点検
・夕方:作業報告、資材管理

評価されること

・装置ダウンタイム時間の短縮(迅速な装置復旧、安全に使用できる環境にする)
・再発防止策の提示、本社や開発部への改善要望の提供
・保守契約内での適切な運用

向き不向きの目安

〇手を動かして作業をするのが好き。手に職をつけたい人
〇機械そのものが好き、安全管理などの考え方ができる
×不測な呼び出しに苦手意識がある(夜間の呼び出しがある会社もあります)

キャリアパス

複数の装置を扱えるゼネラリストへの転身、電気/機械系の資格を取得し資格を活かした転職。

各職種でよくある誤解

営業:「営業は話がうまい人が向いているんでしょ?」

→医師や技師は自分の話を聞いてほしい人も多いです。話をじっくり聞いて”寄り添う姿勢”がある営業さんが成果をあげている傾向があります!

AS:「アプリはサービス職でしょ?」

→確かにノルマや数字に追われることがないのでサービス職に近いかもですが、 
デモ商談や営業と知恵を出し合って数字を取りに行くことも多く、営業の面もかなり強い職種になっています!

FE:「点検や据え付けだけやっていればいいんでしょ?」

→据え付けや点検にお客さんが見に来ることも多いです。名前まで覚えてもらうような献身的な仕事で「この会社のサービスは良いから次の更新も検討しよう」となり自社の装置の更新に決めてもらう病院もあります!

スタット

求められている業務以上のことをするということも評価に繋がります。
病院勤務と異なり多くの人との関わりの中で仕事をすることになるのもメーカー勤務の特徴の一つですね!

よくある質問(FAQ)

年収はどの職種が高い?

企業や経験、採用条件にもよると思いますが、営業はインセンティブがあり年収が高くなる傾向があります。ASも資格手当や学歴などの考慮で年収が高い企業が多いです。口コミサイトやや転職サイトをチェックしてみて下さい!

休みやすさは?

営業、FEは装置が多く入る年末や3月末、ASは学会などがある10-12月や4月が忙しくなります。しかし、大企業になれば昨今の働き方改革や人員補充によりかなり休みやすくなっている印象です!(有休消化も含めて私は年間140日休んでいます笑)

英語は必要ですか?

仕様書が英語なときはまれにあるので最低限読めればgood。私は翻訳サイトを使っているので必須感はありません笑。ただ、どの職種や内資企業でも英語レベルは面接で聞かれるのでTOEICの点数や会話レベルはあるに越したことはありません

まとめ

ここまでご覧いただきましてありがとうございます。
医療機器メーカーには様々な職種の人が関わりながら仕事をしています。普段の仕事ではお互いの業務内容を理解することは必要ですし、就活の面接ではアプリケーションスペシャリストは社内でどのような立ち位置なのか意識して話すことはかなり重要になってきます。

アプリケーションスペシャリストの業務内容は下の記事で詳しく解説しているので併せて読むとさらに理解度が深まりますよ!

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